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WIP 発達障害の精神病理 IV ADHD編を読む

持病であり治療中の ADHD の臨床・病理の知見を深めることで、 症状からくるお困りごとを解決し、病気と共存することに役立てたいと強く思っている。

件の ADHD はその原因や治療方法が確立されておらず、研究途中の段階にあるものだ。 なので、なるべく最新の知見を手に入れたい。 ということで、先月発売された「発達障害の精神病理 IV」を読み進めようと思う。

⚠️ 諸注意 - この記事は読了していない本の読書メモを途中の段階で公開しています。順次更新されます。また、独自解釈を多分に含みます。

読書メモ

はじめに

もう一つ考えておかなければならないのは、ADHDには古典がないということです。つまり準拠すべきテクストがありません。このことはASDとは対照的です。ASDの場合にはLeo KannerやHans Aspergerのような決定版があります。 (p.iii)

  • ADHD Attention Deficit Hyperactivity Disorder ... 注意欠陥・多動性障害。衝動性、不注意などの症状がある。
  • ASD Autism Spectrum Disorder ... 自閉症スペクトラム障害。情緒や非言語コミュニケーションの欠如などにより、社会的な行動がうまくいかない。また、興味が限定的で、繰り返し行動が目立ち、変化に抵抗する症状がある。
  • Leo Kannerは幼児自閉症を発見したひと。彼の著作はASD研究の基礎のひとつである。論文 Autistic Disturbances of Affective Contact では11例の異常行動を示す児童について触れている。
  • Hans Aspergerはアスペルガー症候群を発見したひと。彼の著作はASD研究の基礎のひとつである。論文 ‘Autistic psychopathy’ in childhood では「特に興味深く非常にわかりやすいタイプの(自閉的な)子ども」について触れている。彼が発見したアスペルガー症候群は、DSM-VではASDの一症状として位置づけられている。

Leo Kanner も Hans Asperger もほぼ同時期に自閉症的な症状を突き止めたのだという。彼らの著作を読めばASDがどういう症状かよくわかるのだというが、ADHDにはそういった文献がない、という意味で古典がないと言っているのだと思う。

臨床家がものを考えなくなるという弊害には気を付けなければならないだろうと思います。「あとは脳科学と薬におまかせ」となっては、臨床の現場は荒れてしまうでしょう。(p.iv)

現状、ADHDは根治せず、症状を緩和する作用のある薬や療法、個人の努力で以って、症状があっても問題なく社会的生活が送れることを目指して治療される。 そうした包括的支援を行う最前線が臨床の現場なので、神経科学の進歩や薬物の登場を経た現代にあっても「脳科学と薬におまかせ」とはできない。

また、精神疾患の過剰診断・センセーショナルな報道による無根拠な犯罪との結び付けも危惧されている現状にあって、「最新研究を銀の弾丸と見ずに、正しく理解し適切に診察しよう」という向きもあるかもしれない。

編集メモ

  • 辞書も百科事典も今の家にはないので、電子辞書を実家から持ってきてね

参考文献

底本

その他文献

その他 Web サイト

なし